木造の屋根の構造はどうなっている?
皆さまこんにちは!
前回、屋根の種類をご紹介しました。
今回は、屋根の構造についてご紹介いたします(*^-^*)
●屋根構造の基本●
上記のように、屋根の基本構造は「垂木」「野地板」「ルーフィング」の3つの部材の上に、
スレートや瓦などの屋根材が設置され、構成されます。
「垂木」「野地板」「ルーフィング」の3つは、どんな屋根の種類でも、ほとんどその構造や機能は一緒です。
【垂木(たるき)】
垂木とは、屋根に傾斜をつける木材です。
屋根の一番高い箇所(棟)から下方向(軒)に斜めに長い木材が使用されるのが一般的です。
横方向には、約45㎝間隔で取り付けられます。
【野地板(のじいた)】
野地板とは、垂木の上に設置される板状の部材です。
ルーフィングやスレート、瓦などの屋根材を後で載せる下地材となります。
その材質は、主に9mmまたは、12mmの厚さのコンパネ板が使用されています。
【ルーフィング(防水紙)】
ルーフィングとは、屋根からの雨漏り防止のために野地板の上に敷く防水シート状の建材です。
ルーフィングには2種類ありますが、最も普及しているのが「アスファルト・ルーフィング」です。
防水性を高めるため、シートそのものにアスファルトを染み込ませてあります。
このルーフィングの上にそれぞれの屋根材が設置され、屋根構造となりますが、
屋根構造の仕上げ材である屋根材の部分は、大きく異なっています。
●雨漏りを止めているのは?●
一般的に、雨漏りを防止しているのは瓦や、スレートやトタンなどの屋根材だと考えがちですが、
実は最終的に雨漏りの有無を決定しているのは「ルーフィング」なのです。
ルーフィングは、屋根材で防止できなかった雨水を野地板や屋根裏に浸み込ませないように、
屋根材の下に流れる雨水を軒先まで流す働きがあります。
意外に思われるかもしれませんが、大雨時、大量の雨水が屋根材の下に入り込んでいます。
ただ、ルーフィングの働きで室内や屋根裏に雨が染み込んでいかないだけなのです。
もちろん屋根材にも、雨漏りを防止する機能はありますが、あくまでも化粧材です。
雨漏りの防止に最もおおきなやくわりをはたすのは、ルーフィングです。
※化粧材とは、表面が美しく加工され、見栄えを良くした部材のことです。
●屋根の修理が必要な事例●
1.屋根面が波立っている
野地板が水分を含んで腐食してくると、屋根が波打ったような状態になります。
いくら雨漏りの修理を行っても、次から次へと新たに雨漏りが始まるので、必ず野地板ごと交換する修理を行うべきです。
2.軒が下がっている
垂木に水分が含まれると腐食が始まり、垂木の強度が弱まります。
結果、屋根材や積雪などの重みで軒が下がってくることがあります。
こうなったら、垂木からすべての屋根構造を交換するしか修理の方法はありません。
3.複数個所から雨漏りをしている
ルーフィングの経年劣化が進むと、その防水性能が機能しなくなり、
屋根面全体から雨水が浸入し、あちこちから雨漏りするようになります。
雨漏りを止めるには、新しいルーフィングを敷き直す必要があります。
そもそもルーフィングって何?と感じた方が多いのではないでしょうか?
ルーフィングという単語自体も聞きなれないですよね!
次回は、ルーフィングについてご紹介いたします(*^-^*)