空き家の放置で固定資産税が6倍に!?【part 1】

2023年12月20日

皆さまこんにちは!

空き家の条件次第では、固定資産税が6倍になってしまうということが

最近のニュースで取り上げられていました。

不動産を所有していると税金がかかりますが、これは人が住まない「空き家」も例外ではありません。

居住者の有無に関係なく、不動産を所有していると税金が発生します。

それが「固定資産税」と「都市計画税」です。

いずれも、土地や家屋などの「固定資産」を所有している方に課される税金で、

各市区町村が税額を計算し、不動産の所有者(=納税義務者)に納税額を通知します。

不動産の所有者はそれに基づき税金を納付をするといった流れになっています。

 

●固定資産税が6倍になるまで●

「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、

固定資産税の減額解除に至るまでに以下のように、いくつかの段階があります。

  1. 指定
  2. 助言・指導
  3. 勧告
  4. 命令
  5. 行政代執行

「指定」を受けると、行政からは空き家の適切な管理を行うよう「助言・指導」されます。

この段階で、住宅の修繕や解体、樹木の剪定や撤去などを行い、助言・指導に適切に対応することで、

「特定空き家」や「管理不全空き家」の指定を解除することが可能です。

しかし、ここで「助言・指導」に従わず、空き家を放置すると「勧告」を受けることになります。

勧告を受けることで「特定空き家」の指定となり、固定資産税の減額措置対象外となるのです。

特定空き家に指定されると、指定された翌年から固定資産税減額措置の対象外となります。

200㎡以下の小規模住宅用地で1/6の減額が適用されなくなる結果、固定資産税は指定される以前の6倍に!

なお、地域によっては都市計画税もかかります。

都市計画税にも、固定資産税と同じように減額措置がありますが、

「特定空き家」となることで1/3の減額が適用外になります。

つまり、都市計画税は、指定前の3倍になるという計算です。

 

●空き家を解体しないほうが税制的には得●

空き家も固定資産税と都市計画税を支払う必要がありますが、

ある程度の管理さえしていれば「空き家であっても特例は適用される」ということになります。

なお、これを更地にすると、特例は適用されません。以下、順を追ってご説明します。

空き家も「固定資産税等の住宅用地特例」は適用される

前述のように、空き家であっても「特定空き家」でなければ

「固定資産税等の住宅用地特例」は適用され、軽減措置を受けることができます。

なお、固定資産税は「建物」と「土地」、それぞれに課税されるものです。

更地にすると建物の固定資産税はなくなるが、固定資産税の総額は増える

建物を解体して「更地」にすることで建物に対する固定資産税はなくなりますが、

「固定資産税等の住宅用地特例」が適用されなくなることで、土地にかかる税金の特例率はなくなります。

その結果、固定資産税の総額は増えてしまうのです。

空き家を維持する方が多いのは、この課税問題が原因であるとも言えます。

たとえ人が住んでいなくとも、建物を残したままのほうが税制的に有利だからです。

 

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