木材の生節と死節とは?
皆さまこんにちは!
今回は、木材でよく見る「節(ふし)」についてご紹介します。
●木の節(ふし)とは●
節とは、枝の根元部分が幹の内部に残ったもののことを指します。
木製のテーブルや床材などで、茶色く丸い模様を見たことはないでしょうか?
木は成長すると、高く伸びるだけでなく、幹は太くなります。
その際、枝の一部が幹に取り込まれてしまいます。
そして、これが木材として切り出したときに節となって現れるのです。
木が成長する上で枝は必ず生まれるため、1本の木から木材を切り出すと、必ず節もどこかに現れます。
太く、大きく成長した丸太で、外周には枝葉が見られない状態であっても、
心材に近い部分では節が見られることも多いです。
節は、大きく生節と死節に分けられ、それぞれに異なる特徴を持っています。
◇生節(いきぶし)◇
生節とは、枝が生きたまま幹に取り込まれた際にできたもののことです。
取り込まれた時に枝は生きているため、幹の組織としっかりつながっており、
木材としても強度も十分に保たれています。
色は薄い褐色で、大きさも大小さまざまです。
木の自然さをもった木材として、生節のあるものを好まれる方も増えてきているようです。
◆死節(しにぶし)◆
死節は、天候等何らかの理由で枯れた枝が、幹に取り込まれた際にできたものです。
枝が枯れてしまっているため、幹の組織とはつながっておらず、強度的にも弱くなってしまいます。
色も黒っぽくなり、見た目にも良くありません。
また、収縮などで抜け落ちてしまうこともあるため、死節は敬遠されることが多いです。
死節が抜け落ちてしまった箇所のことを、「抜け節」といい、
抜け落ちた穴に対しては、埋め木という木片を埋め込む処理を行います。
このように処理された節は、「詰節」と呼ばれています。
節のある部分は密度が高く硬くなったり、ヤニが出やすいといった特徴があり、
加工に関しては、節のない部分と比べると、手間がかかるのが特徴です。
基本的に節はないものが良いと考えられており、数や大きさによって、
木材の等級は異なります。少ないものほど高級とされています。
●無節のメリット●
無節のメリットは、なんといってもその見た目の美しさではないでしょうか。
内装などで使用すると非常に高級感があり、非の打ち所がありません。
また、欠点がないため加工や施工がしやすく、とても優れた木材として考えられています。
“節のない材料 = いい材料”という考え方が浸透しており、
林業においては、できるだけ節の少ない(特に死節のない)材料を、育てることが大切です。
そのため、成長に関係のない枝はノコギリや、ナタを用いて切り落としてしまいます。
この作業を枝打ちといい、商品価値の向上につながるだけでなく、
スギや、ヒノキの花粉症対策としても、効果があると言われている重要な工程です。
●節有りのメリット●
無節は、木材の中でも最高級品とされていますが、
節がある木材にも、様々なメリットがあります。
無節と比べて価格が安い点というのは、大きなメリットです。
節のある木材でも、強度に問題のないものも多く、
構造材や下地材などの、見た目に現れない箇所で多く使用されています。
ただし、最近では、内装などの見える箇所に節のある木材を利用するケースが増加しました。
節は自然と生まれるもので、自然のままの風合いを
デザインとして取り入れるという考えが広まっているようです。
特にロッジやコテージなど、自然を感じる空間には、ある種の豪快さが好まれているように思います。