梁の見える天井~メリットとデメリット~
皆さまこんにちは!
前回、「梁」についてご紹介しました。
今回はその梁をあえて隠さず、そのまま見せる
『梁見せ天井』についてです(^^♪
●梁見せ天井とは●
梁見せ天井とは、木造軸組工法の建築で梁を見せる天井のことを指します。
通常、構造の梁は天井材の上(天井裏)にあるため見えることはありません。
梁見せ天井は、天井材をなくした状態(勾配天井)
または天井材の位置を高くして、梁のすべてまたは一部をあえて見せる手法です。
梁見せ天井には、建物の構造の一部となっている梁を見せる方法と、
飾り用の梁(化粧梁)を取り付ける方法の2種類があります。
構造に必要な梁は設置する場所が決まっていますが、
化粧梁であれば、自分の好きな場所に設置できます。
また、中が空洞となっている化粧梁を使用すれば、照明器具の配線を隠せるので、
スッキリとした見た目に仕上げられます。
◇メリット◇
【開放感が生まれる】
梁見せ天井は、梁が見えるようにするために天井の位置を高くしたり、
天井裏(小屋裏空間)を無くして勾配天井にしたりする方法で実現します。
そのため、天井が通常よりも高くなり縦に空間が広がるので、
開放感いっぱいの広々とした室内になります。
【木目を生かした温かみのある内装になる】
梁を室内にあらわすことで、自然素材のあたたかみを感じる
ナチュラルテイストの内装を実現できます。
無垢材の香りが広がる気持ちの良い家にしたい方にも、梁見せ天井がおすすめです。
【デザイン性が高まる】
天井に梁が見えていると、空間のアクセントになりデザイン性が高まります。
木はどのようなテイストにも合うため、採用しやすいでしょう。
また、梁本来の木目をそのまま見せると、インテリアに合わないなどの場合は、
梁を塗装したり、クロス(壁紙)を巻いたりすることも可能です。
ほかにも、見せ梁を活用した照明アレンジも、
梁見せ天井にするなら検討してみたいことですよね!
梁の下部にレールを設置し、スポットライトやペンダントライトを付ければ、
部屋のオシャレ度が一気に高まります。
◆デメリット◆
【梁の掃除が大変!?】
実用的な面で一番困るのが、掃除です。
通常は天井裏に隠されている梁がむき出しとなっているため、
梁の上部にホコリが溜まりやすくなってしまいます。
こまめに掃除ができればいいのですが、梁は高い位置にあるため、
脚立や長いモップなどを使わないと掃除が難しく、悩ましい問題です。
梁を掃除する場合は、高所用のモップを活用するのが一般的です。
3〜5m伸びる商品を使えば、脚立いらずでホコリ掃除ができます。
また、見せ梁には『梁が天井に接しているもの』
『天井から離れた位置にあるもの』の2種類があります。
天井に接しているタイプであれば、梁の上部が天井にくっついているため、
ホコリが溜まりにくい構造となっていますので
梁見せ天井を検討する材料として、知っておくと役立つかもしれませんね(^^♪
【照明器具の設置が難しい】
梁に照明を設置するのは梁見せ天井の醍醐味の1つですが、
アレンジの幅が広がる反面、具体的にイメージを持っておかないと、
統一感の無い部屋となってしまいます。
梁見せ天井の場合、天井が高くなることから、
昼間は日光が入り明るい部屋となります。
その一方で、照明による明かりが必要な夜の時間帯は、
照明器具によっては充分な明るさを確保できないことがあります。
梁見せ天井にする場合は、その空間をどういった用途で使うか、
照明はどのようなタイプの物を使うか。
といったことを、先に考えておく必要があるようですね!
【冷暖房が効きにくくなる】
吹き抜けの造りと同様に、梁見せ天井は縦の空間を増やし、
部屋を広く見せる効果がある一方で、部屋が広くなる分、
冷暖房の効きがイマイチとなってしまうデメリットがあります。
特に暖かい空気は上に行ってしまうため、
エアコンだけだと居住スペースを暖めるのに時間がかかることも。
対策としては、床暖房の設置や、高気密・高断熱住宅にすることが挙げられます。
ほかにも、天井にシーリングファンを付ければ、部屋の温かい空気と冷たい空気が混ざり、
部屋全体の温度を均一にしてくれるので、冷暖房の効きが改善されます。
オシャレな空間づくりに一役買ってくれる梁見せ天井。
新築などで取り入れる場合は、今回紹介したメリットとデメリットを把握した上で、
検討してみてくださいね(*^-^*)