建築用語【梁】とは?
皆さまこんにちは!
木造の家を建てる際、様々な木材を組み立てていくのですが
その中の1つ『梁(はり)』について知っていますか?
最近はわざと梁が見えるようにデザインをしたお家を、見たことがあるかもしれませんね!
●梁(はり)とは●
「梁」とは、建物の建設時に使用する構造材のこと。
柱の上に棟木と垂直する方向に渡した部材で、上からの荷重を支える。
棟木と垂直する梁に対して、棟木と並行する部材は桁と呼ばれる。
「梁」に用いられる樹種には松や杉が多く、かつては曲がった松の丸太が使われ、
その弓を張ったような形状から「張り」と呼ばれたが、
後代になって「梁」という字が充てられたと言われている。
「梁」は建物の様々な部位に使われており、それだけに固有の名称が数多く存在する。
例えば、柱と柱で支えられる「梁」は大梁、大梁に支えられている「梁」は小梁、
屋根を支える「梁」は小屋梁で、床を支える「梁」は床梁である。
小屋梁のうち、もっとも外側にある「梁」は、妻側にあることから妻梁と言う。
●梁の役割●
- 荷重の支持:梁は建築物の上部構造や階を支える役割を果たします。建物の重みや荷重が上から伝わってくると、梁はこれらの力を受け止め、垂直な方向に広く分散することで、建物の安定性を保ちます。
- スパンの提供:梁は建物内のスパン(開口部、空間、部屋の幅)を作り出すのに役立ちます。梁が水平に配置され、壁や柱と組み合わせて使用されることで、建物内の広い空間を実現できます。
- 荷重の分散:建物の上部構造や階にかかる荷重を均等に分散させ、地盤や基礎に荷重を効果的に伝えます。これにより、建物の安全性が確保されます。
- 水平変位の制御:梁は地震などの外部力に対して建物の水平変位を制御する役割も果たします。適切に設計された梁は、地震時などに建物の構造的な安全性を高めるのに役立ちます。
梁はさまざまな形状、サイズ、材料で設計および製造され、
建築物の目的や要件に応じて異なる設計が行われます。
建築物の設計者や構造エンジニアは、梁の適切な配置と設計を考慮し、
建物の安全性、耐久性、および機能性を確保する役割を果たします。
●梁の種類●
【桁(けた)】
梁のなかでも、棟木(むなぎ)方向に配置したものは桁と呼ぶこともあります。
棟木は平たく言うと、屋根の最上部に取り付けられる横木のこと。
三角形の屋根の頂点に寝かせてある部材と考えていただいて良いでしょう。
梁が棟木と直行するように使われる一方で、桁は棟木と同じ方向に取り付けられる支えです。
梁と同じように柱の上に寝かせる使われ方をするもので、時には梁の一種として扱われることもあります。
【大梁(おおばり)】
これまで説明してきた梁のことを大梁と呼ぶことがあります。
柱と柱で支えられているという構造が、大梁と呼ばれるための大切なポイントです。
【小梁(こばり)】
大梁に支えられる構造をしたものを、小梁と呼ぶ場合があります。
これは鉛直方向の荷重を支える役割が中心であり、
地震などの水平方向の力を受け止める役割はないとされています。
【火打ち梁(ひうちはり)】
縦横に張り巡らされた梁(桁)を繋ぐ、斜めに組まれる梁のことを火打梁と言います。
火打ち梁の機能として、地震、台風等の横方向の力への対抗が挙げられ、建物の水平方向への変形を防ぐ効果があります。
【小屋梁(こやばり)】
梁の中でも、屋根を支えるための梁を小屋梁と呼ぶことがあります。
【床梁(ゆかばり)】
梁の中でも、床を支えるための梁を床梁と呼ぶことがあります。
使う部分によって、梁にも種類があることが分かりました!
次回は、梁の見える家についてご紹介いたします(^^♪