集成材と無垢材の違いとは?
2023年9月14日
皆さまこんにちは!
家づくりに使われる木材は、大きく分けて「集成材」と「無垢材」の2種類に分けられます。
それぞれの特徴や、メリット・デメリットがありますので、ご紹介いたします!
●集成材●
【特徴】
- 積層構造: 集成材は、複数の木材層(ランバー)を接着剤で積層して作られています。これにより、均一で一貫性のある材料が得られます。
- 強度と安定性: 積層構造は強度と安定性を向上させ、曲げや反りに対して抵抗力があります。そのため、大規模な建築構造や長いスパンを持つビームとして使用されることがあります。
- 寸法の安定性: 熱や湿度の変化に対して比較的安定しています。無垢材よりも寸法の変化が少ないため、建築プロジェクトにおいて信頼性が高いです。
- 環境への影響: 集成材は天然資源を効率的に利用し、木材の無駄を減少させるため、持続可能な建築に貢献します。
【メリット】
- 強度と耐久性: 集成材は高い強度を持ち、長寿命で耐久性があります。
- 寸法の安定性: 温度や湿度の変化に対して安定しているため、建築物の安定性を保つのに適しています。
- デザインの自由度: 複数の木材層を組み合わせることで、独自のデザインや形状を実現できます。
【デメリット】
- 価格: 無垢材に比べて、一般的には高価です。
- 加工が難しい: 集成材は無垢材よりも複雑な加工が難しいことがあり、特別な設備と技術が必要です。
- 外観: 無垢材と比較して、天然の木目や質感に欠けることがあり、外観が異なることがあります。
◆造作用集成材◆
ひき板(ラミナ)を素地のまま集成接着し、素地のもつ美観をそのまま「あらわし」にしたもの。
または、これらの表面にみぞ切り等の加工を施したもので、主として構造物等の内部造作に用いられます。
- 階段材、壁面材、カウンター材、床材、フリー板材など。
- 豊富な品種と色柄を用意し、特殊なサイズ・形状にも対応。
- 住宅の造作用、家具用など幅広い用途に用いられます。
◆構造用集成材◆
所要の耐力を目的として等級区分したひき板(ラミナ)を集成接着したものであって、
所要の耐力に応じた断面の大きさと安定した強度性能を持ち、大スパンの建築物の建設も可能です。
寸法、断面積によって大断面、中段面、小断面に分類されています。
木質構造の耐力部材として柱、梁、桁などに使用されます。
国土交通省告示に基づいて材料強度が定められています。
- 中断面、小断面集成材は、主に木造住宅の柱、梁、桁など、構造物の耐力部材として広く使用されています。
- 大断面集成材は、体育館、学校、集会施設、事務所、寺院、教会等の大型木造施設など、優れた強度性能、耐火性能、耐久性等を求められる建物に欠かせない材料となっています。
集成材のメリットは安定した品質と高い強度、
無垢材と比較して価格が安いことなどです。
ただし、経年により接着剤が劣化してしまう可能性はゼロではありません。
●無垢材●
【特徴】
- 単一材料:無垢材は一本の木材から切り出されたもので、中心から表面まで一貫して同じ木材で構成されています。
- 自然な美しさ:木目、色、質感などが美しく、天然の特性を保持しています。
- 環境への影響:天然木を利用するため、リサイクル可能で環境に優しい材料です。
- 寸法の変化:湿度や温度の変化に対して、一定の寸法変化があることがあります。これを考慮して設計する必要があります。
【メリット】
- 自然な美しさ:無垢材はその独自の木目や質感で美しい外観を持っており、建築プロジェクトに温かみや風格を加えることができます。
- 寸法の変化:適切に管理された環境で使用される場合、無垢材は湿度や温度の変化に対して安定しています。
- 修復可能:傷や損傷がある場合、無垢材は比較的容易に修復できます。
- 環境への影響:天然木を使用することで、建築プロジェクトにおける持続可能性が向上します。
【デメリット】
- 寸法の変化:湿度や温度の変化に対して敏感であるため、不適切な環境で使用すると割れや反りが生じることがあります。
- 価格:無垢材は他の材料に比べて高価です。
- 維持管理が必要:無垢材は維持管理が必要で、適切な保護や塗装が必要です。
- 資源消費:天然木の使用は森林資源を消費するため、持続可能性への配慮が必要です。
無垢材の魅力は自然の風合いや柔らかい手触り。
天然木ならではの香りにはリラックスや防虫の効果もあります。
調湿作用があり、室内を快適に保ってくれるのもメリットです。
ただし、湿気を吸収・放出するため、膨張や反り、ひび割れなどが出てしまうこともあります。
集成材と比較して価格が高いこともデメリットといえるでしょう。
無垢材、集成材はどちらの方が優れているというものではありません。
それぞれのメリット・デメリットを知り、
どちらをどのように使って、家づくりをするのか考えてみると良いかもしれませんね(^^♪