縁甲板(えんこういた)とは?
皆さまこんにちは!
縁甲板(えんこういた)という板材をご紹介いたします!
●縁甲板とは●
縁甲板とは、床の仕上げに用いられる和風のフローリング材のことです。
本来は縁側の甲板という意味でした。
縁側は、家の部屋の外側を取り囲むように作られている廊下で、
廊下を覆い肌に触れる板が縁甲板だったのです。
しかし現在では、縁側や畳敷きの部屋がある家は少なくなり、
縁甲板はフローリングとほぼ同じような意味で使われることが多くなってきています。
縁甲板もフローリングも、板を組む時に凸部分を凹部分にはめ込む本実加工(ほんざねかこう)をしています。
そのような作りにすることで、浮き上がりを防ぎ、打ち込むくぎを目立たなくしているのです。
縁甲板には杉やヒノキなどの針葉樹が使われるのが一般的でしたが、
時代の移り変わりとともに広葉樹や輸入木材も使用されるようになっています。
●縁甲板の種類や特徴●
縁甲板には、1本の木から作られた単層のものと、
単層の板を薄くして複数枚貼り合わせた複層のものがあります。
単層の縁甲板は、木の持つ美しさや味わいをそのまま取り入れることができます。
天然ならではの香りや、経年による自然な色の変化を楽しめるのです。
しかし天然だからこそ、乾燥による反りやひび割れ、
隙間の発生といったトラブルが起きることもあります。
複層の縁甲板は、趣という点では単層にかないません。
その分、複数の板を組み合わせることで木の伸縮を予防し、
縁甲板のデザインを多様にできるなど、より実用性を高めた床材になっています。
縁甲板はフローリングよりも幅や長さが大きい板が使用されます。
そこで木目などがフローリングよりも目に付くので、
自分の好みに合った外観選びも大切な要素となります。
●縁甲板と羽目板●
縁甲板と似ているものに羽目板があります。
縁甲板は床に張るのに対して、羽目板は壁や天井に張って仕上げる板です。
羽目板にも本実加工が施されていて、覆っている部分をしっかりと守っているのです。
羽目板も、針葉樹から他の木材へと、縁甲板と同じような道をたどって進化してきています。
床を縁甲板にした時に、壁も自然な質感にしたいと感じる場合は多く、
そのため羽目板とセットで注文されることが少なくありません。
住環境では、居心地の良さが重要な要素となります。
進化しつつも昔ながらの趣やぬくもりを失わない縁甲板や羽目板は、
快適な住まいを作る選択肢のひとつとして、現在でも存在感を放っています。
●本実加工(ほんざねかこう)●
実(さね)とは、板の側面につけた凸凹の加工のことで、
通常、突起の凸部分を雄実(おざね)、凹部分を雌実(めざね)と呼びます。
つまり実(さね)とはフローリングや縁甲板を組み合わせるための木材加工です。
この実(さね)の加工のひとつが、本実加工(ほんざねかこう)です。
本実加工には、板と板をびったりと合わせるようにした本実突付加工(ほんざねつきつけ)や
組み合わせたとき隙間があくように加工された、本実目透かし(ほんざねめすかし)等があります。
突き付け加工は主にフローリングに、目透かし加工は主に羽目板に使用されます。
さらに、雌雄加工した部分の形により、本実加工や相じゃくり加工など様々な加工方法があります。
フローリングは、この雄実と雌実を組み合わせていき施工します。
長さ方向(長手)に加工されているものに加えて、
巾方向(フローリング板の端の部分・短手)の雄雌の加工をエンドマッチと呼びます。
一枚の板に対して、四面すべてに実加工されているものを四方実(しほうざね)と呼びます。