いつも笑顔で
みなさんは、「バリアフリー」と聞いて、どのようなイメージを持たれているでしょうか?
多くのひとが、住環境において「バリアフリー = 段差がない環境」を連想されると思います。
ここ数年で新築された住宅のほとんどは、廊下やリビング、トイレや浴室などに段差はなく、家の中はほぼフラットになっています。しかし、昔からある住宅には敷居や框の段差があるため、それらの段差を解消するリフォームを考えたことがある方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな「段差解消リフォーム」にまつわるエピソードをご紹介いたします。
段差解消のリフォームと言っても、方法はたくさんあります。
居室の敷居を撤去したり、敷居の高さに合うミニスロープを設置したり。廊下や居室の床面を嵩上げしてフラットにする方法もあります。
今回ご紹介するC様邸は、リビングの床面を嵩上げし、隣り合う台所や廊下との段差をなくしてフラットにする工事をさせていただきました。
C様は奥さまとおふたり暮らしです。
C様は、数年前に「パーキンソン病」という進行性の病気を患いましたが、いつも明るく笑顔で奥さまとおふたり、ご自宅で生活をされています。パーキンソン病は、手足の震えや筋肉のこわばりなど、運動機能に障害が現れる病気で、今の時点では完治する方法はなく、薬の服用や手術などで対症療法のみが行われている病気です。C様も、自宅内で転倒されたり、日によっては身体の動きが悪く、歩行が困難になり車いすを使用することもあります。
そのような状況のC様が普段過ごされているリビングの床面の嵩上げをして、安全に移動ができるようにしてほしいと言われました。
リビングと台所の間にある敷居は、2センチにも満たない段差でした。※廊下も同様です
しかし、C様にとっては、この敷居段差こそが転倒のリスクそのものでした。
リビングに置いてある家具や家電を全部動かして、既存の床面はそのままで、新しいフローリング材を重ねて張っていくことになりました。
床の嵩上げ工事と併せて、リビングと台所の間仕切りにある建具も交換することになりました。
※車いすでも行き来できるよう開口を広くとるために、3枚引き違い扉にします
2日前まであった敷居はなくなり、リビングの床もピカピカになりました。
「 自分と同じような病気で困っている方がいるとしたら、
リフォームをすることでその困難なことも少しは解消される 」
C様が、このことをたくさんの方に伝えたいとおっしゃってくださったので、
今回、C様の実際のご病気とともに段差解消リフォームを紹介させていただきました。